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T-116火災事故報告(概要)

1.概要

平成24年6月27日(水曜日)午前10時45分頃、法定開放検査のため開放作業中であった球形タンクT-116において火災が発生し、作業していた協力会社従業員1名が被災する事故が発生しました。

2.事故状況

(1)火災発生日時

平成24年6月27日(水)午前10時45分頃

(2)火災発生場所

太陽石油㈱四国事業所内、球形タンク T-116上部

3.被災状況

(1)人的被害

被災者数1名(協力会社作業員 男性)
被災状況左側頭部裂傷(5針縫合)、左の鎖骨骨折、指擦過傷

(2)物的被害

液面計ケーブル焼損
(その他タンク本体等については、健全性確認の結果異常なし)

4.火災が発生した設備概要

設備名 球形タンク T-116
設置年 平成22年9月14日 完成
型式 全溶接鋼板製球形タンク
容量 2,000ton
内容物 ブタン
内径 19,420mm
材質 球殻板 圧力容器用鋼板(SPV490:JIS G 3115)

5.火災発生当日までの作業状況

5月30日に事前工事打合せを実施。以降、仕切板挿入、開放点検のための事前処置(水張りによるガスパージ等)を完了し、6月18日に運転担当部門(操油グループ)から工事担当部門(検査グループ)へ引渡しを行いました。
今回の開放点検に伴う主な作業の実施日を以下に示します。

事前工事打合せ 5月30日
仕切板挿入 6月12日
水張り(ガスパージ)開始 6月12日
ガスパージ完了(工事引渡し) 6月18日
水抜き完了 6月22日
入槽作業開始 6月25日
火気使用作業開始 6月25日

また、当日(6月27日)の作業開始前のタンク内部の環境測定において、タンク上部及び下部にて可燃性ガス等は検出されておりません。

タンク内部環境測定結果

測定箇所 炭化水素[ppm] 硫化水素[ppm] 酸素濃度[%]
上部マンホール 21.0
下部マンホール 21.0

6.工事体制

本工事は元請け会社が統括管理を行い、下請け会社2社が作業を行う工事体制でした。

作業員の配置状況

作業員の配置状況

7.原因

(1)火災の直接原因

タンク外上部にて誤ってブローダウン行き配管のフランジ開放、仕切板の抜き取り及びバルブの取外しが行われたことにより、ブローダウン行き配管内のプロピレンガスがタンク内に流入、タンク内部で溶断作業を開始しようとして使用した着火器・ガス溶断機が着火源となり火災に至りました。

(2)危険性の認識不足(協力会社)

協力会社内で、ブローダウン行き配管のフランジ開放、仕切板の抜き取り及びバルブの取外しを行った場合、可燃性ガスが漏洩するという危険性の認識が共有されていませんでした。

(3)作業内容の伝達ミス(協力会社)

協力会社内での伝達ミス及び作業確認不足が重なったことにより、作業員が取り外してはならないバルブ(ブローダウン行き配管バルブ)を取り外してしまいました。

(4)作業環境設定への配慮不足(事業者)

ブローダウン行き配管のフランジ開放、仕切板の抜き取り及びバルブの取外しをされた場合、配管内部のガスが漏洩するという危険性がありましたが、バルブ閉止、仕切板挿入及び仕切板への表示を終えた段階(6月上旬に実施)で、事業所の規則に基づいた環境設定の対応は完了しており、誤作業等により環境設定が崩されることまでは想定していませんでした。

8.再発防止対策

(1)協力会社内の「作業の見える化」を徹底指導

協力会社内での伝達ミスを防止し、危険箇所に対する認識を全作業員が共有するために、作業指示書や図面等を活用した書類を用いた「作業の見える化」を徹底するよう指導します。

(2)事業所従業員の立会い強化

事故前日に、大気開放となっている安全弁の仕切板とバルブの取外しを行っており、当該ブローダウン行き配管の仕切板とバルブの取り外し作業も同様に問題ないと錯覚し易い状況がありました。
安全な作業環境を設定する上で、仕切板の挿入/取り外しは最も重要な行為であり、現在の事業所規則では、可燃性ガス等危険性のあるフランジ等の開放作業においては、事業所従業員が必ず立会いすることになっていますが、今後は誤作業による環境設定の変更が生じないよう、全ての仕切板(気密テスト等で使用するテストプレートは除く)の挿入/取り外しにおいて、事業所従業員が立会うこととします。

(3)作業禁止機器の管理強化

作業環境設定用の仕切板とバルブには表示を行っていますが、今後は、開放してはならない旨を強調して表示し、更に固縛を行い誤作業を防止します。

(4)協力会社員への教育

事業所内で作業する協力会社で構成される建設業安全協力部会を通じて、フランジ開放や仕切板挿入/復旧等、開放作業の危険性や作業手順等について再教育を実施します。

9.事故措置対応

(1)事故調査対策委員会の設置

事故の翌日の28日には、事業所内に「T-116事故調査対策委員会」を発足させ、社長、副社長、以下関係役員、所長職、部長職による、徹底した事故原因の究明及び再発防止対策について鋭意検討を重ね、本報告書に取り纏めました。

(2)協力会社への周知

事故当時、事業所では製造設備の定期修理工事を行っており、入構している協力会社が集まる安全衛生協議会にて、事故の翌日、事故の報告を行うとともに、再度安全作業の徹底を図りました。

(3)事業所内への教育・周知徹底

今回の事故の経緯、原因、再発防止対策等について、所長以下4部門(保安管理部門、設備管理部門、運転管理部門、生産技術部門)の部長、部署長職が出席して毎月開催される「環境安全技術委員会」及び「安全衛生委員会」にて説明し、周知徹底を図るとともに、各部署長による部署員への教育を実施しました。